一般質問の2問目は冬場よりは落ち着いた感のある不審船の問題です。
「北朝鮮の状況と沿岸部の安全について」

 北朝鮮情勢が大きな転換期を迎えております。平成30年6月12日、シンガポールで行われた史上初の米朝首脳会談では完全非核化の約束は取り付けたものの、共同声明にて具体的な内容に踏み込まない状況でした。情報も少ない中、会談の成果について評価することはできませんが、報道の通りであれば現状が短期間で大きく変わることはないように感じます。
 さらにトランプ大統領は会談後の記者会見にて北朝鮮への経済制裁については当面継続すると表明しております。2月の平昌での冬期オリンピック以降は融和ムード・対話ムードが高まっておりますが、北朝鮮国内の経済状況については現状、好転の要素がないとものと考えます。
 融和ムードの中忘れてはならないのが、昨年10月ごろから冬季間、木造船が日本海沿岸に多数漂着している件です。北朝鮮国内での経済の悪化により冬の厳しい海でも漁に出た結果の漂着ともいわれております。北朝鮮の経済が短期的に好転の要素がないとすると今後も日本海沿岸に漂着する可能性が高いとも考えられます。

➀本市における不審船等の漂着の実績は。
【回答要約】
・木造船は平成29年11月21日五十川地内海岸に漂着したのをはじめに12月に3隻。計4隻。
・遺体は平成29年12月4日に3体漂着し、その後12月7体。計9体。
・28年度は実績なし。

➁他県では生存状態での上陸例もあるが、国県との連携の方法や役割分担などは。
【回答要約】
・山形県や沿岸漂流漂着船対応マニュアルを作成。4月23日に第2版を発表。
・漂流漂着船の発見→山形県警察、酒田海上保安庁に連絡。見分後管理者が処理。
・遺体の発見→山形県警察、酒田海上保安庁に連絡。見分、身元確認。身元不明の場合漂着沿岸市町へ遺体の引き渡し。
・生存状態での発見→山形県警察が初動対応。緊急配備、聞き込み、巡回等。併せて県、市と連携し住民への注意喚起と情報提供依頼。
・感染症が疑われる場合は保健所と連携し防疫上必要措置をとる。
・市管理海岸で漂着船が発見された場合、市が処分を行い費用を負担するが現状国の補助金から全額補填される。
・身元不明の遺体は行旅病人及び行旅死亡人取り扱い法により市が火葬、遺骨はお寺に安置。

➂生存者がいた場合、第一接触は沿岸地域住民の可能性が極めて高い。対応マニュアルの周知などの状況と課題は?
【回答要約】
・警察庁、海上保安庁のチラシを市ホームページに掲載。ポスターを沿岸部コミセンに掲示。マニュアルもホームページに掲載。自治会などとも連携し注意喚起を行う。

➃有事の際の現存インフラ、組織等の活用は。
【回答要約】
・生存者上陸の目撃情報等が警察経由で市に。必要だと判断した場合、防災行政無線を使用し注意喚起を行う。
・武装化や感染症の恐れがあることなどから地元自治会や消防団に不審船不審者等の指示を出すことはない。

いつどのような変化があるかわからない北朝鮮状況については平時から油断することなく、住民一人ひとりに対し、対応策の周知が継続的に必要だと考えます。そのような懸念がなくなるような北朝鮮との関係づくりへの希望は持ちつつも、現状は情勢に合わせた対策を国・県・関係機関と連携しながらお願いできればと思います。