昔、水無のある家に一人のぼう様がとまりました。
そのぼう様はもちがだいすきでした。
なんだかもちのにほいがするようだがたべさせもしない。
みんななるのをまってたなの中をさがしてみたらもちがたくさんあるので、たべたたべた八はいもたべました。そして八つのつつみをつくりばあさんのねた方に行って「おせわになりました」といった「まだくらいから朝まで」といったら「私は目がみえないから夜もひるもありません」といい、ばあさんが「名まえをおしえてくれ」といいますと「私は八へ口の八つつみかめこの下ののげいちぼう」とおしえてたってゆきました。朝になっておきてみたら、もちは一つもない。かめはわれ、さとうも少しものこさずみんなたべられました。それからこのはなしをきいた人々は「ある物はたべさせなければならないものだ」といいあったということです。
(寄稿 佐藤多津恵)