豊浦の民話 - 「“あば”と鬼」


 嫁と姑がまるで仲がわるぐで、にぐぐでにぐぐでのォ。毎日毎日姑さのォ、おにがらくわえでこえ、くわえでこえて、そうでもの、ばばは、もしょくなくで、もしょくなぐでのォおにの山さ杖ついでえたけどォ、毎日毎日そわえるもだもの、ばばだて、かえだぐてかえだぐで二日も三日もえたけどォ、そだどものォ二日たても、三日たっても、鬼がそさ、いでも仲々かねでもの、そしてのォ四日なたではのォ、おめばっかりきたても、かえねさげ、あばどごもせでこえ、あばどごせでけば、おめどごくさげ……て、そうでもの、ばばは、どもなねし、えさえて、あばさこうこうだし、おめも、いっしょええがねばかえねさげ、て、そわえださげ……て、鬼がらそわえだとうりそえたふだ。
 あばはの「あややァそだごどいて、そだばえぐぜェ」てのォ……ばばは、あばどごせでえたけど。そしての、山までは二人いっしょえ、えたども、鬼のすむ山だろ、奥山でんだァ、ばばは早くかえだぐで、かえだぐで、したくたて、えたろし、えたども、あばは仲々こねでもの、そしたでばの、あばは山の大木のかげさかくれで、こねなだけでもの、それでの、ばばは、鬼の前さ、ではて、こうしてあばもきたし、おれもかえだぐで来たさげ、どうがくてくれて願ったでもの、そしたばの、鬼は皿のようだまなぐしての、いぢ飛んだがし、飛んでえて、あばどごジャックリ噛んで、くえだまま、えてしまたけど、ばばどごは、そさおえで、飛んでえてしまたけど。

(原話 伊関豊野)